開設25周年を迎えるモスクワ音楽院日本校

モスクワ音楽院
アレクサンドル・ソコロフ院長

チャイコフスキー記念ロシア国立モスクワ音楽院は 2000 年に世界で初めてモスクワ音楽院の 正規カリキュラムを移設した「モスクワ音楽院特別演奏コース」(MSC コース)を日本に開設 し 2 年後には 25 周年記念を迎えます。
MSC コースの学生はモスクワと倉敷、双方の校舎で音楽院教授の指導を受けることができます。アンドレイ・ピサレフ教授(現モスクワ音楽院ピアノ科学科長)やウラジーミル・オフチニコフ教授(前音楽院付属モスクワ中央音楽学校校長)をはじめこれまでに総勢 48名の教授陣 が指導にあたりました。また作陽大学からはのべ 150 名の学生が本校を訪れ、32名の学生が音楽院本科、研究科、大学院を卒業。在学中には国際コンクールでの入賞やロシアのオーケスト ラとの共演、ヨーロッパでの音楽祭への参加など多くの実績を残しています。
わたしたちは、MSC コースの学生を本校の学生と同様に選ばれた「特待生」として、ロシア・ ピアニズムの真髄を「ピアノ実技」「伴奏法」「室内楽」「教授法」「ロシア音楽史」など本校独自のカリキュラムで特別に指導します。2021年度からは、世界に先駆けてディスクラビア遠隔地 演奏システムを採用し、モスクワー倉敷をリアルタイムで結び本校の教授による質の高い実技レッスンを実施することができました。現在私たちはリモート技術を利用し、より多彩な音楽 院のプログラムの提供を検討しています。
クラシックの世界においてロシア音楽は欠くことのできない存在です。とりわけピアノ演奏においては、ニコライ・ルビンシュテイン、チャイコフスキーが教鞭をとり、タネーエフ、ラフマニノフ、スクリャービンを育て、ゴリデンヴェイゼル、イグームノフ、ネイガウス等の名教授たちは、リヒテルやギレリスをはじめとする世界一流のピアニスト達を輩出しました。モスクワ音楽院の教授に学ぶということは、あなたもこうした偉大なロシアピアニズムの継承者になることを意味しています。
みなさんにはぜひこの「MSC コース」に入学し、自分の信じた夢にチャレンジし、音楽家と して人々に感動を与え、そしてだれからも愛され、信頼される人間として成長していただきた いと思います。